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第25話 二度目は、我慢してもらえない

last update Veröffentlichungsdatum: 08.10.2026 21:31:41

第25話 二度目は、我慢してもらえない

 政府からの緊急回線を切ったあとも、如月蓮はしばらく椅子から立てなかった。

 壁面モニターでは、世界各地の物流拠点を示す表示が次々と黄色へ変わっている。

 まだ赤ではない。

 港が閉鎖されたわけではない。

 飛行機が飛ばなくなったわけでもない。

 道路も使える。

 燃料もある。

 倉庫も動いている。

 それなのに、荷物だけが予定どおりに進まなくなっていた。

「先生」

 高瀬が画面を切り替えた。

「国際航空貨物の予約要求、平常時の二・七倍まで上がりました」

「昨日の遅れを全部今日取り返そうとしてるのか」

「それだけじゃないです。昨日の障害を見て、企業が予防的に前倒し発注を始めています」

「まだ遅れてない物まで

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    第36話 正直な国ほど、後回しになる 国際利用を求める正式要請が三十四か国まで増えた翌朝、如月蓮は研究室へ入るなり、机の上に置かれた朝食用のサンドイッチより先に世界地図を見た。 昨日は国名の横に災害種別だけが表示されていたはずなのに、今朝はそれぞれの案件に数字が付いている。赤、橙、黄の三段階で色分けされ、その横には《推定影響人口》《重大被害発生までの推定時間》《代替予測手段》《入力データ完全度》といった項目が並んでいた。「これ、誰が作った」 上着も脱がずに尋ねると、高瀬は自分の机から顔を上げた。彼の前にも同じ資料が開かれており、すでに何度か読み返したらしく、紙の端が少し曲がっている。「昨夜の国際利用調整チームです。先生が帰ったあと、政府と外務関係、それから災害支援の専門家で叩き台を作ったそうです」「叩き台にしては完成してるな」「会議が今日の八時半なので、何もない状態から始めたくなかったんでしょう」「その気持ちは分かるけど、点数まで付いてるじゃないか」 蓮が一件を拡大すると、《優先検討指数 82.4》という数字が表示された。 隣の案件は七十八・九。 その次は七十六・一。 世界中の洪水、火災、暴風、地滑りが、一列の数字に整えられている。 見やすい。 だからこそ、気持ちが悪かった。「また数字で並べたのか」 マヤが研究室の奥から歩いてきた。片手には端末、もう片方にはまだ半分ほど残ったコーヒーがある。「人間側で作った暫定式です。LIMENは使っていません」「それは見れば分かる」「先生が嫌がると思って、作成側も明記しています」「俺の好みの問題じゃないんだよ。何を足したら八十二・四になる?」 マヤが式を表示した。 重大被害までの時間。

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